150327 【読書】『菊池省三流 奇跡の学級づくり』菊池省三著 

春休み中の読書の一冊に、『菊池省三流 奇跡の学級づくり』を選んだ。

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本書の中で菊池先生は、学級づくりを次のところからスタートすると言っている。

信頼関係を築くため、私はまず、子どもたちのよいところを見つけて

ほめるところからスタートします。

(P9より引用) 

菊池先生といえば「ほめ言葉のシャワー」が有名だが、

まずは、教師から子供をほめることで信頼関係という土台を作りつつ、

その上で様々な実践を成り立たせているのだ。

 

今回、私が特に心に残ったのは、

次の一歩を踏み出すためにも、一学期を束ねる。

そのために一番効果的なのは、書くことです。

自分の授業を文字化することで、さまざまな成果や課題が見えてきます。

(P63より引用)

というところだ。

この「束ねる」ということについて、具体的に2つの方法を紹介している。

一つめは、5枚の写真をもとに、自己評価を行うものです。

一学期の授業の写真から5枚選び、”事実”から気づいたことを

書き出します。さらに5点満点で自己評価します。

(P64より引用)

 

二つめは、今まで読んだ本の再読です。

3月に、学級経営の参考になる本を求める教師は多いと思います。

読んだ本をもとに、4月から取り組んできた学級づくりも夏休みに入って

ひと段落つきました。ここで再び、同じ本を読み返してみるのです。

3月は前年度の学級経営を振り返りながら読んだと思いますが、

夏休みの再読は、今、目の前にある学級を想定しているはずです。

同じ内容でも、より実例に即して考えることができるでしょう。

本当”対話”しながら読むことで、本の記述が知識から実践そのものに

変わっていくはずです。

(P70より引用)

 

私はこれまで特に、「束ねる」という作業をやってこなかった。

それは、とにかく前に進むことだけを考えていたからだ。

それに、わざわざ時間をとらなくても、実践の過程や新年度に

切り替わる時に、修正していたからだ。

しかし、ここ何年かの実践の中で、授業計画だけを書くのではなく、

振り返りを書くことの効果を実感しているのも確かだ。

 

遅ればせながら、この「束ねる」ということを地道にやっていこうと思う。

そこで「束ねる」に関連して、やってみようと思うことを2つ。

一つ目は、菊池先生のいう「夏休みに1学期の実践を束ねる」ために、

継続して写真を撮っていきたい。

板書、係活動、発表の様子などの、私が柱にしている活動を中心に

撮っていきたい。

二つ目は、PCに「束ねる」のホルダーを作っておくこと。

そうすれば忘れることも防げるし、空になっているものは埋めたくなるのが

人間の心理というもの。

これは、未来の自分と約束をするようなものだ。

 

本書のタイトルには、「奇跡」の二文字がある。

しかし、実際に書かれていることは、決して夢物語ではない。

地に足をつけた、地道な実践の積み重ねばかり。

あえて何が「奇跡」かと思いを巡らすと、

決して妥協せず、一人一人の子どもの成長を促す菊池先生の姿勢そのものを

指しているのではないだろうか。

 

菊池省三流 奇跡の学級づくり: 崩壊学級を「言葉の力」で立て直す (教育単行本)

菊池省三流 奇跡の学級づくり: 崩壊学級を「言葉の力」で立て直す (教育単行本)

 

 

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