150226 【読書】野中信行 他編『日々のクラスが豊かになる「味噌汁・ご飯」授業 国語科編

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話を聞けない子どもがいる。
話を聞き続ける持久力が不足しているのだ。
だからといって、全く聞けないわけではない。
興味がもてないことには、耳を貸せないのだ。
話は聞けないが作業はやる。
そんな子どもたちとは、どんな授業を展開していったらいいのだろうか。
 
本書のはじめに次のように書かれている。
 
「味噌汁・ご飯」授業というのは、「日常授業」の喩えである。
私たちは、この「日常授業」の改善、充実について強く訴えている。
本当にその通りなのだ。
私たち人間の健康な体は、時折食べる豪華な食事でできているのではない。
毎日毎日、口にしている普通の食事でできている。
授業も同様だ。
日々の授業が充実していなければ、
子ども達が身につけるべき学力は身につかないだろう。
 
本書は、国語科を例に、どの教科にも必要な3つのの考え方を提案している。
①全員参加 ②基礎的学力保障 ③日常性の追求
 
私は、ここ数年学んでいる算数を念頭におきながら本書を読んだ。
そこで私は大切なことに気づいた。
私は勘違いをしていたのだ。 
「私がやりたいことと、子どもが望んでいることは違うのではないだろうか。」
ということだ
私の授業は、全体で話し合う時間(聞き合う時間)が長い。
その話し合う時間を、有意義なものにしようと様々な工夫をしてきたが、
子ども達にとってその時間は、ワクワクする時間になっていたのかと疑問に思う。
子どもの話だから、たどたどしく一回で意味が聞き取れないこともある。
だからといって、教師がキレイに言い換えてしまうと、本人も周囲も育たない。
しかし、ここにたくさんの時間を割いてしまうと、
子どもの思考は停滞してしまう。
これらを克服するにはどうしたらいいか。
そこで先ほどの3つの考え方を当てはめてみる。
算数も国語と同様に、分割授業を組んでみたらどうか。
国語の分割授業は次の通り。
①漢字指導(5分〜10分)
②音読指導(本時の音読5分)
③本時の指導(30分)
 
では、算数はどうするか。
私は次のように分割し、時間を設定した。
 
①ミニ計算プリント(10分)
②前時の復習(5分)
③本時の指導(30分)
 
ここで大切なのは、本時を30分でおさめると決めることだ。
やりたいことばかりを取り入れていくと、とても時間内ではおさまりきれない。
やらないことを決めることが先決だ。
それは、「話し合う内容は1つだけにし、2つ以上は扱わないこと」。
 
これらのことを毎日繰り返しながら、焦らず育てていきたい力がある。
それが「聞く力」だ。
どの学年を担任してもクラス替えをした場合、そのクラスの「聞き合う力」は、
前年度よりリセットされていると考えたほうがいい。
新年度を迎え、新しく「聞き合う力」を育てていくのだと捉えたほうが
心に余裕ができてくる。
目の前の実態に応じて、臨機応変に授業のデザインを変え、
欠かすことのできない「聞く力」を育てていくために、
「味噌汁・ご飯授業」が果たす役割は大きいと思われる。

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